令和4年新型コロナウイルス感染症対策特別委員会 本文 2022-12-27

【黒田太郎委員】
 データの発表方法について伺う。
 県ホームページの新型コロナウイルス感染症のページに掲載されているクラスターの状況一覧表を見ると、高齢者施設等では多くのクラスターが発生しており、その次は医療機関であることが分かる。それ以外では、職場、保育施設、学校等で少し発生しており、飲食店、会食、その他では発生していない。
 実際に職場や保育施設、学校等では、クラスターは発生していないのか。

【医療体制整備室長】
 医療機関は検査体制が整っているため、クラスターの発生を把握し、保健所に報告できる。また、高齢者施設等についても、県は職員を対象としたスクリーニング検査や陽性者が発生した場合のPCR検査体制を整備しており、保健所がクラスターの発生状況を的確に把握でき、これらが多い原因と考えられる。
 一方、職場をはじめとするその他のカテゴリーのクラスターの確認数が少ないのは、本年3月から疫学調査の対象が変更となり、職場については対象外となったことが理由として考えられる。
 加えて、本年9月26日から新型コロナウイルス感染者の発生届が、全数から65歳以上の人や入院を要する人など4類型に変更となったため、保健所による疫学調査が限定的となり、その他のカテゴリーについても、クラスターの発生状況の把握が困難となったことが理由として考えられる。これは県内の保健所設置市においても同様であり、感染者の発生状況の把握体制による違いが影響していると考えられる。

【黒田太郎委員】
 医療機関や高齢者施設等と比較して、保育施設、学校や職場、飲食店などは、感染者の把握の体制が違うのか。

【医療体制整備室長】
 国の通知で医療機関や高齢者施設等はハイリスク施設と定義され、保健所等による迅速な積極的疫学調査を実施し、濃厚接触者の特定や行動制限など感染対策を行うこととされている。
 一方、職場等については、保健所等による積極的疫学調査や濃厚接触者の特定、行動制限は求めないことになっており、保健所等の調査の違いであると認識している。

【黒田太郎委員】
 私は3年前からこの表に注目してきたが、新型コロナウイルス感染症の流行初期は現在と比べれば陽性者数もかなり少なかったため、マンパワーの関係もあり調査しやすかった。その当時にこの表が作成され、そのまま現在に至っていると思う。疫学調査の対象が変更になったと思うが、公表している表は当初に作成したものを使用していることについて、どのように考えているのか。

【医療体制整備室長】
 疫学調査の対象が変わり、現在、公表している区分のうち、飲食店、会食、職場などはクラスターがほとんど発生していない。

【黒田太郎委員】
 第6波までは、保育施設、学校等や職場でもクラスターが発生していたが、その後疫学調査の対象変更になり、公表しているクラスター数の状況が変わってきていると思う。  当初に作成した表で公表し続けることは、誤解を生む可能性があると思うがどうか。

【医療体制整備室長】
 例えば、第7波では職場のクラスターが14件、ほかに保育施設、学校等でもクラスターが発生したが、第8波では職場は1件であった。国の通知に基づいて調査をやめたカテゴリーもあるため、表の見直しを検討したい。

【黒田太郎委員】
 疫学調査の対象が変更となり、当初のクラスター発生状況とは違うことを明らかにした上で公表するなど、検討をお願いしたい。

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